「5月って過ごしやすいはずなのに、なんとなくやる気がおきない…」
そんなふうに感じることはありませんか?
新緑が美しく、風も心地よい季節。
それでも、朝晩の気温差や環境の変化で、心や体がゆらぎやすい時期でもあります。
そんなときにヒントになるのが、日本の暦である「二十四節気」と「七十二候」です。
自然の流れを知ることで、無理に整えなくても、ちょうどよい自分に戻る感覚を取り戻せるかもしれません。

この記事では、5月の節気や季節の移ろい、行事や食べ物、
そして日々にやさしく取り入れたい過ごし方をご紹介します。


二十四節気と七十二候とは?
■ 二十四節気とは
太陽の動きをもとに、1年を24に分けた季節の区分です。
古くから農作業や暮らしの目安として使われてきました。
「立春」「夏至」なども、この二十四節気のひとつです。
■ 七十二候とは
二十四節気をさらに細かく、約5日ごとに分けたもの。
全部で72あり、草花や生きものの変化で季節を表します。
暦を“知識”ではなく、“感覚”で感じられるのが魅力です。
5月の二十四節気|立夏と小満
■ 立夏(5月5日頃)
「立夏」とは、暦の上で夏が始まる節目を意味します。
“立つ”という言葉には、「新しい季節が立ち上がる」「気配が現れ始める」という意味が込められています。
まだ本格的な暑さではないものの、日差しの強さや風の軽やかさ、木々の緑の濃さに、どこか春とは違う空気を感じる頃です。
春のやわらかさの中に、少しずつ夏の気配が混ざりはじめる、そんな移ろいのタイミングともいえるでしょう。
また昔の人々は、気温だけでなく、
・日が長くなること
・植物の成長の勢い
・風や空の変化
といった自然の変化から、季節の訪れを感じ取っていました。
立夏は、そうした自然のサインをもとに「夏の入口」として定められた節気です。
急に何かが変わるわけではなく、
気づけば季節が一歩進んでいる。
そのやわらかな変化に目を向けるきっかけになるのが、この立夏という節目です。
■ 小満(5月21日頃)
「小満(しょうまん)」とは、万物がしだいに満ちていく頃を意味する節気です。
“満”という字が使われていますが、「すべてが満ちきる」というよりも、満ち始める喜びや安心感を表しているといわれています。
“少し満ちる”と書くこの言葉には、
まだ途中でありながらも、確かに実りへと向かっている
そんなやわらかな充足のニュアンスが含まれています。
この時期、自然界では草木がぐんぐんと成長し、
田畑では穀物が穂をつけはじめます。
農家の人々にとっては、「ひとまず順調に育っている」と安心できる節目でもありました。
また、気温も安定し、過ごしやすい日が増える一方で、
少しずつ湿り気を帯びた空気や、梅雨の気配も感じられる頃です。
目に見える変化だけでなく、
内側で満ちていくものに気づきやすいのも、この小満の特徴かもしれません。
何かを一気に完成させるのではなく、
ゆっくりと満ちていく過程を受け取る
そんな感覚にそっと寄り添ってくれる節気です。
七十二候で見る5月の自然
【立夏の頃】
- 蛙始鳴(かわず はじめて なく):蛙が鳴き始める
- 蚯蚓出(みみず いずる):土の中の命が動き出す
- 竹笋生(たけのこ しょうず):たけのこが伸びる
【小満の頃】
- 蚕起食桑(かいこ おきて くわを はむ):蚕が桑を食べる
- 紅花栄(べにばな さかう):花が美しく咲く
- 麦秋至(ばくしゅう いたる):麦が実る
小さな変化に気づくだけで、季節はぐっと身近になります。
5月に咲く花|自然のエネルギーを感じる






- ツツジ:神社や街を彩る鮮やかな色
- 藤:風に揺れるやさしい美しさ
- バラ:初夏を感じる華やかさ
外の空気に触れるだけで、気持ちが軽くなる瞬間があります。
5月の行事と食べ物
■ 八十八夜
立春から数えて88日目にあたる日。
この頃に摘まれる新茶は、香りがよく栄養も豊富で、古くから「長寿の縁起物」とされています。
ゆっくりお茶を淹れて、ひと息つく時間を持つのも、この季節ならではの楽しみです。
■ こどもの日
5月5日は子どもの健やかな成長を願う日。
端午の節句としても知られています。
この時期の食べ物
・柏餅
家系が絶えないという縁起もの。
・ちまき
厄除け・無病息災の願い。地域によって形や味が異なるのも魅力です。
■ 母の日
5月の第2日曜日は母の日。
日頃の感謝を伝える大切な日です。
母の日にカーネーションを贈る習慣は、アメリカが起源とされています。
発祥のきっかけは、1900年代初め、アンナ・ジャービスという女性が、亡き母をしのび、教会で白いカーネーションを配ったことでした。母への深い愛情を象徴する花としてカーネーションが広まり、やがて世界中で「母の日の花」として定着していきます。
5月の過ごし方|流れに寄り添う暮らし
この時期は、整えようと意識しすぎるよりも、
自然の流れにそっと合わせることが心地よさにつながります。
■ 立夏の頃|「動き出す気配」に気づく
立夏は、夏のはじまり。
何かを大きく変えなくても、
「少し外に出てみようかな」
「新しいことに触れてみようかな」
そんな小さな気持ちが芽生えやすい時期です。
無理に前へ進もうとするのではなく、
“動き出そうとする気配”に気づくだけで十分。
■ 小満の頃|「満ちていく途中」を受け入れる
小満は、すべてが満ちる一歩手前の状態。
まだ完成していなくても、
「少しずつ整ってきている」
「確実に前に進んでいる」
そんな感覚を受け取ることが大切な時期です。
つい結果を求めてしまいがちですが、
この季節は“途中であること”そのものに意味があります。
ほんの少し意識を向けるだけで、日常の質が変わっていきます。


新緑の神社|満ちていく気配の中で
5月の神社は、新緑に包まれた特別な空間。
木々が成長するこの季節は、自然のエネルギーが満ちていくとき。
その場にいるだけで、気持ちが整っていく感覚を得られるかもしれません


まとめ|5月は「満ちていく途中」の季節
二十四節気
立夏(5月5日頃)「立夏」とは、暦の上で夏が始まる節目を意味します。
小満(5月21日頃)「小満(しょうまん)」とは、万物がしだいに満ちていく頃を意味する節気です。
七十二候
立夏の頃
- 蛙始鳴(かわず はじめて なく):蛙が鳴き始める
- 蚯蚓出(みみず いずる):土の中の命が動き出す
- 竹笋生(たけのこ しょうず):たけのこが伸びる
小満の頃
- 蚕起食桑(かいこ おきて くわを はむ):蚕が桑を食べる
- 紅花栄(べにばな さかう):花が美しく咲く
- 麦秋至(ばくしゅう いたる):麦が実る
5月は、春から夏へと移り変わるやわらかな時間。
自然は急がず、少しずつ満ちていきます。
その流れの中で、私たちもまた整っていきます。
忙しい日々の中でも、ふと立ち止まり、
風や光を感じる時間を持ってみてください。

